「顔も筋肉を鍛えれば引き締まるはず」——この発想から生まれた顔ヨガやフェイシャルエクササイズ。SNSでは多くのビフォーアフター動画が拡散されていますが、実際のところ科学的に有効なのでしょうか? 海外の皮膚科医や研究者の見解をもとに整理します。
顔ヨガ・フェイシャルエクササイズとは
顔ヨガとは、顔の筋肉(表情筋)を意図的に動かすエクササイズの総称です。目を大きく開く・頬を膨らませる・口角を引き上げるなど、様々な動作を組み合わせたルーティンが多数存在します。
特に欧米では「Facial Fitness」として一般化しており、専用アプリやオンラインコースも多く登場しています。
科学はどう評価しているか
2018年にアメリカのノースウェスタン大学が実施した研究(JAMA Dermatology掲載)では、40〜65歳の女性30人が1日20〜30分、8週間フェイシャルエクササイズを実施した結果、頬のボリュームが増加し、外見年齢が平均約3歳若く評価されたと報告されました。
ただし、研究者たちも以下の点を注意事項として挙げています。
- サンプル数が少なく再現性の検証が必要
- 客観的な皮膚測定値ではなく、外見の主観評価が主な指標
- 長期的な効果については不明
皮膚科医の見解——賛否の分かれ方
| 立場 | 主な意見 |
|---|---|
| 肯定派の皮膚科医 | 表情筋を鍛えることで顔の輪郭に張りが出る可能性はある |
| 懐疑派の皮膚科医 | 表情筋の過剰使用はシワの原因になる(特に目尻・額) |
| 中立派 | リラクゼーション・血行促進の効果は認めるが、「若返り」の証拠は不十分 |
懐疑派が特に指摘するのは「繰り返しの折り目がシワになる」という点です。同じ動きを毎日繰り返すことが、ボトックスで治療しているような「動的シワ」を促進するリスクがあると主張しています。
効果が期待できるとされる具体的な動き
肯定的な研究や実践者から効果が報告されている動きは以下の通りです。
- 頬のリフト運動:口角を上げて笑顔をキープし、頬筋を鍛える(小頬骨筋・大頬骨筋)
- ネックリフト:顎を上に傾けて首筋を伸ばし、首と顎下の境界を整える
- 目の周りのほぐし:目を強く閉じてから大きく開く、眼輪筋のトレーニング
- 額の圧迫ストレッチ:指で眉を押さえながら眉を上げ、前頭筋に抵抗をかける
顔ヨガを取り入れるなら
- 毎日やりすぎず、週3〜5回から始める
- 強い引っ張りや摩擦は避ける
- スキンケア後の滑りがいい状態で行う
- 目尻・額など動的シワが出やすい部位はやりすぎない
まとめ
顔ヨガ・フェイシャルエクササイズには一定の科学的な根拠が存在しますが、効果の程度や長期的な安全性については議論が続いています。過度な期待は禁物ですが、正しい方法で継続すれば血行促進・リラクゼーション効果は得られます。スキンケアと組み合わせた「補助的なツール」として位置づけるのが現時点での賢い活用法です。
参考:Healthline “Does Facial Exercise Really Work? What the Science Says”、Byrdie “Facial Exercises: Do They Actually Work?”(2025〜2026年掲載)

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